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2021年以降を見据えたオープンイノベーション

2021年以降を見据えたオープンイノベーション

イントラリンクはこの度、オープンイノベーション・グループ設立6周年に伴い、クライアントの皆様の広範なニーズにお応えするために拡大してきたサービス内容とその幅広い機能性を反映し、ホームページをリニューアルいたしました。 本ブログでは弊社の事業開発統括ディレクターであるノエル・プリッチャードが、過去6年間のオープンイノベーションや事業創出における経験に基づき、日本企業がこの先直面しうる、アフターコロナやデジタルトランスフォーメーションをはじめとする課題にも対処できるよう設計されたイントラリンクの新たな機能・サービスについて解説します。

イントラリンクの歴史

2020年11月25日、イントラリンクは創立30周年を迎えました。創立当時から、私たちは海外ベンチャー企業日本企業の新規事業創出を促進・追求する役割を果たしてきました。そのほとんどの場合、弊社は欧米企業のアジア事業進出のため、主に海外ベンチャー企業から彼らの日本におけるクライアントやパートナーへのアプローチ、また取引確保を支援してきました。 さらに、海外ベンチャー企業との連携を通じてビジネスの課題解決に取り組む日本企業にサポートを提供するため、2015年1月にはオープンイノベーション・グループ(以下、OIG)を新たに設立しました。 そしてOIGは設立以来、幸運にも数々の国内大手企業とのプロジェクトに携わることで力強い成長を遂げてきました。

過去5年間で学び、再確認した「イノベーション」

 

1. イノベーションは容易ではないが、挑戦しなければならないものである

約90%のベンチャー企業がビジネスに失敗する、というのはよく知れた話ですが、新規事業に対する取り組みにおいては、当然のことながら大企業もリスク回避的であり、結局のところ、それは広範囲な意味でベンチャー企業のようなものであると言えるでしょう。 またイノベーションに関する取り組みが本格化した場合でも、文化の違い、意思決定、インセンティブ、法務、予算など様々な克服すべきハードルに直面することが多く、大企業が取り組むイノベーションは『一見ほぼゼロに近い勝算に対する壮大な探求』とも言えます。 一方で、歴史上には革新に失敗したために崩壊した、かつての支配的な企業の例も多く見受けられます。だからこそ、企業の構造にイノベーションを組み込む必要性が明確に理解されているのです。

2. イノベーション戦略は、ビジネスニーズに適合するべきである

イノベーションへの取り組みに対する各企業の目的は、広く異なります。長期的な事業の多様化を目指す企業もあれば、既存の顧客チャネルに提供するための画一的なソリューションを求める企業もあるでしょう。多くの場合、1つの取り組みにおいて、複数の目的が混在しているケースがよく見受けられます。 同様に、イノベーションプロジェクトのタイプも様々です。具体的には、そのフォーカスを社内・社外のどちらに置くか、投資型か事業型か、市場調査会社、コンサルタント、大学、VC、アクセラレーターなどのパートナー選定など、様々な選択を行う必要があります。またまた従業員、顧客、競合他社をはじめとするイノベーションの原点、タイムフレーム、実際に焦点を置くテクノロジー領域や地域も異なってきます。 つまり、イノベーションの真の目的とは何か、そしてそれらの目的に最適なイノベーション戦略を策定するためにどのような選択を行う必要があるか、はじめから慎重に考えることが重要です。

3. 海外企業との提携において、日本企業は直面しがちなハードルではなく、そのバライエティに注目すべき!

弊社は長年、欧米企業と日本企業の架け橋として、日本のビジネスを熟知したバイリンガルスタッフがあらゆるカルチャーギャップを解消し、グローバルビジネスをサポートしてきましたが、物理的な距離、不慣れなマーケット、文化的及び言語的障壁により、一部の日本企業にとって、海外ベンチャー企業とのパートナーシップを積極的に追求することが伝統的に困難な傾向であると感じることが多々あります。 しかし、2018年にOECDが発表したデータによると、日本のベンチャーキャピタル総投資額(対GDP比)がたった0.046%であった一方、英国はその倍となる0.096% 、さらに米国は桁違いに高い0.67%を記録しました。つまり、日本に比べて欧米にははるかに多くのベンチャー企業が存在しており、イノベーションを求める日本企業にとってパートナー選定の選択肢も非常に幅広いと言えます。日本の大企業にとって、このバライエティはもはや無視できるものではないでしょう。

4. 「顧客の声」は内部摩擦を解消する最強の武器

大企業のビジネスは通常、イノベーションではなく『事業遂行』に最適化されているため、既存の顧客ベースに対して、既製の商品やサービスを改善するという既存のビジネスドメインにはよく精通しています。しかし、イノベーションは既存の物事と考え方に変化を必要とするため、一部のステークホルダーはそれに抵抗的で、結果として組織全体に摩擦を生み出すこともあるかもしれません。 この内部摩擦に対応するための最も効果的な方法は、関心を持つ顧客を見つけ出すことです。日本企業は顧客志向が高いため、顧客からの関心は通常、その需要を満たすために組織を大きく活性化してくれます。

イントラリンクの新サービス・機能

弊社が学んだ事項と経験への対応も含めて、私たちはクライアントの皆様により満足いただけるサービスを提供するため、新しいサービスを追加しました。

1. イノベーション戦略の策定

イノベーションのニーズと実践方法の多様性を認識し、弊社はクライアントを導くための一連のツールとフレームワークを設計しました。その一例である海外イノベーション推進ポートフォリオ(リンク先の図)では、クライアントの強み、特定のサブセクターへの適合性、海外ベンチャーエコシステムに存在する最先端技術に基づき、明確なイノベーション戦略策定を実現する一連の論理プロセスを使用します。

2. ブレインストーミングとアイディエーション

過去6年の間、弊社は強力なテクノロジースカウティング機能を構築してきました。従来は、プロジェクトを開始する際にクライアントが求める技術やユースケースを既に確定している必要がありました。しかし、イノベーション戦略が完全に確立しておらず、この点に至らないクライアントを支援するため、ブレインストーミングセッション、マインドマップ、カオスマップなどを活用し、クライアントがテクノロジースカウティングで焦点を置く領域を絞り込む作業をサポートする発想の概念化に注力してきました。この機能は、 海外イノベーション推進サービスでご覧いただけます。

3. 海外事業創出サポート

テクノロジースカウティングに基づくポジティブな結果の一つとして、新製品のコンセプト創出が挙げられますが、馴染みのない地域や業界の顧客をベースにこれらのコンセプトを実証するのは困難な作業です。弊社の海外事業創出サポートは、ターゲット市場選定から初期の顧客取引や最終的な事業部への新規ビジネスの引き渡しまで、新製品コンセプトを実現するエンドツーエンドのフレームワークに基づき設計されており、世界中に所在する弊社のバイリンガル事業開発チームを通じて、複数の業界・セクターにわたる潜在的な顧客やパートナーを特定し、アプローチを行うことで効果的に新しい市場及び地域に展開することができます。

すべてをまとめたフレームワーク

イノベーションは、目的地を簡単に忘れてしまう「旅」であるとともに、最終的に新しい価値の創造につながらない場合、その取り組みは無駄になってしまいます。この新しい価値創造という最終的な目標を確実にするため、そして旅の途中で重要なステップを強調するため、私たちは海外イノベーション推進・新規事業創出フレームワークを作成しました。これは、企業がイノベーションをゼロから開始する際に実行するべき典型的なステップをまとめたリストで、弊社のサービスはこのステップのあらゆる段階に位置する各クライアントのニーズを満たすために設計されています。

最後に、、、

オープンイノベーション・グループは過去6年間進化を続けてきた結果、より深く幅広いサービス機能とともに、クライアントの支援に最も適した、今までになく充実した体制にあります。そうはいっても、私たちのイノベーションの「旅」はまだ始まったばかりです。今後、皆様にもさらなる進化を目指したイントラリンクのイノベーションの旅にぜひご参加いただければ幸いです! ご関心のある方はお気軽にお問い合わせください。

ノエル・ プリッチャード
About the Author

ノエル・ プリッチャード

日本において、CDSグループの代表を務める。2015年のグループ設立から、同部署を弊社の戦略的支柱に育て上げ、その過程で30社以上の日本企業との新規ビジネスを獲得してきた。現在は、グループ・サステナビリティ・オフィサーを兼務。

1997年に初来日。サウサンプトン大学で日本語学士号、INSEADでMBAを取得。入社以前は、ボーダフォン・グローバル・エンタープライズとベライゾン・ビジネスにてプリセールスやコンサルティング業務に従事。

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