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パブが教えてくれた、「今」を活かす力

弊社ロンドン拠点のジェームズ・フランシスが、ロックダウンを通して経験した「今」をチャンスに変える重要性について本ブログに綴っています。 2020年がこんな風になると予測できなかったのは、私だけではないと思います。これまでのところ、多くの人の生活がスローダウンしたり、調整や見直しが必要になったりして、大きく変化しているのではないでしょうか。すべてに当てはまる訳ではないかもしれませんが、しばらくの間、状況が異なることには間違いありません。 ロックダウンが始まってから道路はとても静かで、いつもとは違うルートでジョギングするようになりました。ロンドンの裏道を走っていると、いつも冒険している気分になります。

先を見たパイプライン構築

昔と比べると、今あるパブの数は少ないものですが、東ロンドンは今も特に多くの飲食店があります。ロックダウンで通常営業ができない中、驚いたことに、多くのパブがテイクアウト限定のビールショップとして営業していたり、日曜の特別メニューとして知られる伝統料理のサンデーローストの持ち帰りを提供しているところを見かけます。またつけ払いとして今一定金額を払うと、今後パブが営業再開したのちに割引を得られるというような工夫もなされています。 苦境を乗り切るための生存本能でしょうか。顧客維持と獲得のための策を今実行することで、物事が今後正常に戻ったときのためのパイプライン(供給ルート)を築いています。

「今」を大事に

いつものジョギングルートで見るパブの中には、この先もう扉を開けることがない店もあるかもしれません。しかし、この状況下でも新たな機会を作り出し、好機として捉えるために素早く動いた人々は、今後状況が改善した時に備え、現時点では可能な限り最高の立場に身を置いています。 私は、この発想はすべてのビジネスにも当てはまると思います。生き残るために進化し、長い間考えてはいたものの、実行には移していなかったプロジェクトを立ち上げるなど、今まで以上に先にある機会を見据えて、先手を打つことが重要になってきているのではないでしょうか。 効率的な社内プロセスの促進や顧客対応・管理ツールの改善を可能にするデジタルトランスフォーメーションだけでなく、一時的に活動が停止しているオープンイノベーションに関わる取り組みの再開など、どのビジネスにもこの危機から生じた、またはこの危機を通じて強調されたニーズがあるはずです。私は、今こそこれを実行に移し、促進する時だと思います。 この大きな変化が求められる中、先の機会を見る能力は非常に重要です。ビジネスには前向きに向き合いながら、パブで飲む泡立つビールも楽しみしたいところです。 著者について ジェームス・フランシスは現在オープンイノベーショングループのダイレクターとして、ロンドン拠点にてビジネスデベロップメント及びイノベーションネットワークを担当している。以前は、弊社東京オフィスで約6年間勤務し、自動車、電子ディスプレイ、生産装置など、様々な分野のスタートアップの日本市場進出をサポートした。また自身も英国スタートアップで勤務した経験を持つ。

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